2014年10月4日土曜日

ビッグママはブルースを唄う



ビッグママになろうとしすぎなかったかと 最近 反省している。




ヨーロッパの学校には 落第の制度がある。
落第なんてね 恥です。
と 日本人母は思う。
でも まさか 自分の子供があやうくなるまではその可能性についてまず考えない。
だって 落第って 10店満点の5以下なんだもの。
いくらなんでも 5点くらい取るでしょ? 
それに 宿題やら 授業態度やらで
先生だって落第したくないから そこそこプラスαしてくれるでしょ?
なんて考えていた。
去年 いきなり 娘が荒れた。
それまでも 彼女は 考え方がかなりずれた人なので 時々 ちょっと困った点数をもって来た。数学大好きだった私にまったく似ず 数学が困ったくらいできない。
小学三年時点で 算数で こけそうになった。
ユーロの計算。
話し込んでみると 『お金をなぜ使うのか』というのがわからない。
お金の歴史講座を夫が二時間。
それで解決した。
娘は音大志望なので高校では必須科目だけ。
だから 数学は 中学までしかなかった。
最後の数学の試験では もう これが最後だから
もう 受験勉強に突入するのだから
と これとこれとこれ
これらの問題のやり方を丸暗記 と命じた。
結果 9点。
『ママ どうして 出るのがわかるの? なんかね いい点取りすぎて気分悪い。』
そうやって そうやって そうやって
私は娘という名の重い押し車を押して来た。
自由課題も手伝って。
とにかく 押して来た。
押し過ぎだったのかもしれない。
日本人である私は 留年なんてとんでもない と思っていたし
適切な年で 大学に進むべきと思っていたから。
それが 去年 あと一年で受験というときに荒れた。
9月に新学期が始まり 何度も 父親と口論をし
結果 11月の終わりから 学校にもコンセルバトリーにも行かなくなった。
それから どんなことがあったか覚えていない。
いや 覚えているけどまだ文章にできる段階だはない。
それでも なんとか 学校も卒業して 受験もして
今は 私達から離れて 学生生活をおくっている。 

今のところは 幸せそうだし 押して押して ここまで来てよかったじゃない と思っているけれど 1年2年ほったらかして本人の気持ちに任せたほうがよかったのかもしれない
長い人生というスタンスで考えれば とも思っている。

これは 私にとっては 娘との戦いでもあったけど システムとの戦いでもあったと思う。
言い訳になるかもしれないけど。
学校で習う ものすごくつまんない哲学が落第で 進学できなかったらばかみたいじゃないかと私は思う。 高校なんて 入ったら 卒業できて当然と思って来たからそう思うのかもしれない。 ある人は 哲学は大事です という。 もちろん 哲学はとてもだいじだ。 でも 教科である哲学は 入試に必要な デカルト ニーチェ がセット イ オルテガ プラトン。 これだけ やってなんになるんだろう。歴史の中でどういうふうに考え方が変わって行ったか 誰が誰に影響したか そんなことがなくて 離島のような哲学者を学ぶ筆陣がわからないから だから 高校なんて どうでも卒業させたい と思った。 
人生がこわれてしまうかもしれないじゃないか なんて 自分に関してはまず思わないことを娘には 思った。 

これじゃ 幸せな結婚を願う馬鹿な親とちっともかわらないな と反省しつつ。

ビッグ ママはブルースを唄うのでした。